どうも、
「日本一総合型選抜の募集要項に目を通している男」
なかてつです。
「合格者0名」という壁
4月~5月にかけて二者面談等が行われた学校も多く、3年生はいよいよ本格的に自分が受験生だという自覚が湧いて来る頃ではないでしょうか。
さて、2024年度(令和6年度)の入試結果がぽつぽつと出始めました。総合型選抜のデータ分析サービスを提供している弊社では今年度のために総合型選抜に関するデータ更新を開始しつつあるところで、今後は今年度(令和7年度)試験に向けて少しずつこの「総合型選抜通信」の更新頻度を上げて、受験生や学校の先生方に有益な情報をお届けしていこうと思っている今日この頃です。
今回は、データから見ると明らかだけど、普通に情報収集していると意外と気づかない「攻略難易度の違い」に焦点を当て、
なぜか合格者が出にくい「合格者0名」のところをいくつかピックアップしてご紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてください。なお今回は2024年度のデータが出揃ってないところも多いので、2023年度のデータを中心に見ていきます。
【国立】京都大学 農学部 資源生物科学科
まず最初は京都大学農学部資源生物科学科です。
京都大学は全体的にちょっとだけ特殊で、総合型選抜と学校推薦が混在する「特色入試」という名称の入試形式を備えています。なので中身をよく見ないと総合型と学校推薦と勘違いして出願してしまうことも無きにしも非ずなので注意が必要です。
そして今回ご紹介する農学部の資源生物科学科は「総合型選抜」にあたります。
▼2023年度入試実績
募集:3名
志願者:25名(倍率8.3倍)
合格者:0名
となっています。なおここに関しては最新の2024年度のデータもありますが、3名の募集枠に21名が志願(倍率7倍)、合格者は1名です。合格率が0%~5%未満と京都大学の中でも低い数値になっています。
【国立】千葉大学 理学部 物理学科
続いて、千葉大学理学部物理学科です。
千葉大学の総合型選抜は全体的に倍率こそあまり高くないように見えるんですが、合格率が厳しめで、全体的に10%~30%の合格率となっています。
▼2023年度入試実績
募集:4名
志願者:13名(倍率3.3倍)
合格者:0名
ちなみにもう1つ、法政経学部に関しても合格者0名となっています。
昨年度倍率1.0倍と狙い目に見えますが、22年、23年と続けて合格者が0名となっており、倍率以上に難易度が高いことが伺えます。
補足情報ですが、理学部物理学科は、国公立大学の総合型選抜では珍しく「共通テストなし」となっています。
【国立】奈良教育大学 教育学部 学校教育教員養成課程(幼年教育専修)
続いては、奈良教育大学教育学部学校教育教員養成課程(幼年教育専修)です。
奈良教育大学といえば、かまいたちの山内さんの母校としても有名ですね。
▼2023年度入試実績
募集:2名
志願者:10名(倍率5.0倍)
合格者:0名
学校教育教員養成課程にはいくつかの専修がありますが、ダントツで幼年教育専修の志願者が多いです。
倍率が高く競争が激しくなることが予想されるうえ、合格率も厳しいというのが現状です。狙われる方は、相応の覚悟が必要となります。
ちなみにここは、大学卒業後に奈良県の学校教員を希望することが出願要件に組まれているので、卒業後は別の都道府県に行きたいという人は受験ができません。
【私立】早稲田大学 文学部 文学科
ここからは私立大学のご紹介になります。私立一発目は早稲田大学文学部文学科です。
早速、昨年度の入試実績を見ていきましょう。
▼2023年度入試実績
募集:3名
志願者:20名(倍率6.7倍)
合格者:0名
早稲田大学で唯一の合格者0の学部学科です。言わずもがな大人気の大学ですので、他の学部学科もかなり競争が激しく、合格率一桁台のところもチラホラ。どこの学部学科受けても険しい戦いになるということですね。
早稲田大学の総合型選抜で最も合格率が高いのは、「FACT選抜入学試験」という入試方式の人間科学部で、合格率は3学科で71%となっています。ただし評定や語学資格など出願要件は厳しめに設定されています。
【私立】岡山理科大学 獣医学部 獣医学科
続いては岡山理科大学獣医学部獣医学科です。
岡山理科大学は全体的に見ると、半分の学部学科が定員割れ、もう半分も倍率1倍台と、ある意味狙い目な大学ではあるのですが、獣医学部だけは勝手が違います。昨年度実績は以下の通り。
▼2023年度入試実績
募集:3名
志願者:30名(倍率10.0倍)
合格者:0名
驚異の倍率10倍越えです。全国の獣医学部の中では、偏差値という観点で見ると決して高い方ではないんですが、
もしかしたらそれ以上の難しさがあるのかもしれません。
【私立】広島経済大学 経済学部 経済学科(興動館選考型)
最後は広島経済大学経済学部経済学科です。
偏差値だけでは測れない好例です。偏差値だけを見ると40前半~半ばくらいとなっていますが、なかなか狭き門となっています。
▼2023年度入試実績
募集:20名
志願者:18名(倍率0.9倍)
合格者:0名
ご覧の通り定員割れしています。ですが、合格者は0名です。倍率や偏差値だけで志願先を選ぶことの危なさがおわかりいただけるのではないでしょうか。
まとめ
今回は「合格者0名」に絞ってご紹介しました。募集枠がそもそも1~2名くらいしかなく、志願者も数名という状況で合格者が0というのはままあるんですが、今回は志願者が多いところでかつ合格者が0というところを中心にピックアップしました。
倍率5倍で合格率8割越えなどどいう「倍率が高いのに合格率も高い」というパターンがある一方で、このような、仮に志願者が多くても合格基準に達していなかったら全員不合格、というところもあるわけです。
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ということで今回は以上です。
今後も総合型選抜に関する情報を中心に、受験生や先生方に有益な情報を発信していきます。
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